─YEN蔵さんは、ボードディーラーとプロップディーラーのどちらをされていたのですか。
YEN蔵:両方やりましたよ。たいていの場合、トレーディングチームに配属されると、ディーラーのアシスタント⇒深夜勤務のナイトデスク⇒ボードディーラー⇒プロップディーラー、という順序で上にあがっていきます。そこからは管理職になったり、途中でオプション部門に行ったりとまちまちです。外銀の日本支店なんて人数も少ないですから、ボードディーラーをやりながらプロップディーラーをやる所も多いですけどね。
─鷹鳩さんは?
鷹鳩:僕は、最初に就職したのが日本の銀行だったので、為替ディーラーの人数も多かったんですよ。スポットチームとフォワードオプションチームがあって、その中でさらにボーディーラードとプロップディーラーに分けられていました。最初はスポットチームに入ったのですが、半年後ぐらいにはフォワードオプションチームに異動。そこで2年半か3年ぐらいボードディーラーをやって、それから少しだけプロップディーラー的な仕事をしました。その後、邦銀を辞めて米系・欧州系の金融機関を渡り歩き(笑)、そこでも為替市場のオプション取引をしていました。
─ちなみに、スポットとかフォワードオプションというのはどういう取引ですか?
鷹鳩:簡単に説明すると、スポットは、まさにFXみたいに外国の通貨を売買する取引です。それに対して、フォワードオプションは為替予約(注1)やオプション取引のことを言います。たいていの貿易会社は、為替予約やオプションを使ってリスクヘッジするのです。もちろん、貿易会社の実需だけでなく、ディーラーが相場観に基づいてフォワードやオプションを使ってポジションを取ることもあります。 コールとかプットとか聞いたことありません?
─もちろん、コールとかプットって聞いたことありますよ。でも、私、オプションって苦手意識があるんですよね。賢い人しかできないような気がして……。
鷹鳩:そんなことないですよ。私だって、なんとなく理解していただけです。
YEN蔵:鷹鳩さんは理系なの?
鷹鳩:いいえ、文系です。なので、オプションの細かい計算まではわかっていないのです。理系の先輩は確率微分とか編微分方程式とか勉強しろって言いますが(笑) ただ、こうなったときにこういうリスクパラメーターで動くなどということは、ボードディーラーをやっているとざっくりとわかってきますね。
─ディーラーさんって、理系と文系どちらが多いんですか?YEN蔵:うーん、スポットは体育会系が多いかな。B型の体育会系?!